流星ワゴン 【読書記録】
ドラマにもなった「流星ワゴン」
私は見ていないのだけど、図書館で借りて読んでみました。
交通事故で亡くなった橋本さんとその息子の健太君が運転するオデッセイに乗って
過去の人生の分岐点を確認していく物語。
「確認」というところがミソで
どんなにその分岐点で過去を変えようと行動しても結局はその場のみの出来事で
すぐに忘れてしまい、決まった未来を辿る事に変わりはない。
家庭が崩壊していくのを見ていくしかないのなら意味がない。つらいだけだというカズ。
「一年前のあなたはその日が家族にとって大切な分かれ道だと気づくことさえできなかったんじゃないですか?」
ここから何も知らずに家庭崩壊を迎える父親ではなく、「知っているけど何も変えられない父親」になっていく。
この設定、とてもシビアに思うけれど、最後健太君からのプレゼントで一つのアイテムとそのやり直そうとした記憶をもってカズは現実に戻っていく。
オデッセイの旅で残ったのは過去を変える事ができるという事ではなくて
それを知った、自分自身の記憶が残りまだまだこれから先を変えることができる。
元気を貰える小説でした。
父と子
子育てというか身内でもちゃんとお互いを知ろうとする、知って欲しいと開示することは大切であると思いました。
読了。